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矢掛工場勤務

松本 陸

MATSUMOTO RIKU

研究開発部 研究開発課
(係長)

入社10年目

2024年4月1日現在

マスキングテープの研究開発で、最大の難関は何ですか?

私にとっての難関は適度な粘着性とはがれやすさのバランスです

研究開発課には男性9名、女性2名が所属し、基本は一人ひとりが異なるテーマに取り組み、時には相談しながら業務を行っています。私の担当は工業用マスキングテープの新商品の開発や既存製品の改良です。マスキングテープははがすことが前提ですが、貼っている途中で浮いたり、めくれてはいけません。一方で、きれいにはがれるという、相反する特徴のバランスとりに思考を巡らせています。私は開発要員として採用され、特に必要な資格はなかったです。入社後は早い段階でテーマを持たせてもらい、実務に取り組みながら、専門的なことなどを覚えていきました。

国内シェアトップクラスを誇るテープ専門メーカーの強みは?

現場の声を直接聞き、商品づくりに反映する姿勢だと思います

入社1年目で、新商品を最初から手がけた時には、製品を立ち上げる難しさを痛感しました。少量しか製造しないテスト段階までは順調に進み、いざ大量に作ると不良品が多く出るトラブルが発生し、原因を突き止めるまでに1年を要しました。製造部や粘着剤メーカーの方々に協力を仰ぎ、機械の設計や材料の選定に対策を講じながらの製造にさらに1年かかります。そして、小ロットでは問題なくても、大ロットになると問題が生じる可能性を念頭に段取りをする必要性を体得しました。日課では、屋外や高温化で貼り置いた試作品がきれいにはがせるか確認する「貼り置き試験の状況確認」、新しい粘着剤を配合してA4サイズ程度の基材(製品のもとになる材料)に専用の治具で塗布する「試作サンプルの作成」を行います。「試作品の評価」では、粘着剤や引張強度などを試験機で測定したり、巻きだした時の感触やちぎりやすさといった実用的な性能も確認しています。また、開発の過程において、ビルや一戸建ての建築現場、塗装の塗り替え現場へ出かけ、開発品を使用してもらっている職人さんの声を営業と一緒にヒアリングすることもあります。伝言ではなく職人さんと直接、会話ができる環境は私にとって魅力的です。自分が想定していたコメントや社内の評価とは真逆を言われたこともあり、とても勉強になっています。

研究開発をするうえで、大切にしていることは何でしょう?

目線が異なる、いろいろな人の 意見を聞くようにしています

研究開発の仕事で難しいポイントは、市場と社内の評価を一致させることです。同じ商品に対し、社内では破れないと評価され、市場からは破れるとの答えが返ってくるケースが珍しくありません。評価を一致させるために、使用環境を厳密に再現してテストする方法を常に模索しています。用途を広げることがマスキングテープの新たな活路を開くので、職人さんをはじめ製造部や営業部の方たちの異なる目線からの意見にもしっかり耳を傾けるよう努めています。比較的、自分の考えた設計や評価方法を採用してもらえる職場なので、いろいろ考える人と一緒に働きたいです。

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