Kishinami Tokumitsu (age26)
1995年3月22日、東京都生まれ。基礎工事の現場で約3年間働いた後、友人の紹介で2014年10月にティエヌケイ株式会社(http://www.tnk-ltd.jp)に入社して防水職人となる。ティエヌケイはウレタン防水などを得意としていて、取材日もカモ井加工紙の工場の屋根で防水工事を行なった。
INTERVIEW
1995年3月22日、東京都生まれ。基礎工事の現場で約3年間働いた後、友人の紹介で2014年10月にティエヌケイ株式会社(http://www.tnk-ltd.jp)に入社して防水職人となる。ティエヌケイはウレタン防水などを得意としていて、取材日もカモ井加工紙の工場の屋根で防水工事を行なった。
Chapter 1
もともとは基礎工事の現場で3年ぐらい働いてたんですよ。そのとき勤めていた会社を辞めてどうしようかってなったときに知り合いに紹介してもらって、今の防水の会社ティエヌケイに入りました。
防水に関する知識はまったくなかったですね。やることもそれまでとは全部違いました。前は作ることが仕事だったんですけど、今はなんて言うんですか、あるものを直すようなところがあるんで、まったく違いますね。
作業としては仕上げなんで、キレイにしないとお客さんも満足してくれないですし、細かいところに気を配って何もかも丁寧にやらないといけないです。
防水職人になってからは、まず掃除とか、どこの会社でもやるような下積みの仕事から始めました。うちの会社は結構ちゃんと口で説明してもらえたり、やり方を見せてくれる形で仕事を教えてもらえましたね。
仕事をちょっとずつ覚えてって、色々とやらせてもらえるようになって。一通りの仕事を覚えるのに5年ぐらいかかりましたね。流れは分かっても、それぞれの仕事がどういう意味でやってるのかをちゃんと理解するという意味で時間がかかったんですよ。まだまだ勉強中ですけど。
Chapter 2
防水は材料に膜厚(まくあつ:塗った防水材の厚みのこと)ってあるんですけど、何ミリとかの世界なんですよ。そこを感覚でやんないといけないところがあるので、そこが一番難しいですね。
養生は塗装屋さんのものとはちょっと違うんですよ。汚さない、飛散させない、隙間がないようにしてキッチリ仕上げるということに気を使っています。
今日は工場の屋根ですけど(カモ井加工紙の工場の屋根の防水工事を行なった)、他に戸建て、マンション、ビルとか何でもやってます。この現場で言うと、スレートの屋根なんで気をつけないと足でぶち抜いちゃうんですよ。気をつけないと落ちて死ぬんで、そこは大変でした。
屋根の建築材によって作業のときに気をつけないといけないポイントは変わってきます。担当が事前に現場を1回見て調査してくれて、それをうちら職人に教えてくれるんで、現場の状況に合わせて準備をするようにしてます。
印象に残っているものだと、ある工場のタンクの現場がありますね。ススだらけだったんですよ。一応、僕らがやるところは掃除してなるべくススを落としてキレイにしてから作業しましたけど、ちょっと環境的に厳しかったです(苦笑)。
Chapter 3
仕事道具ではコーキング作業で使うヘラは、会社の人に作ってもらった物を使ってます。市販の物をそのまま使うんじゃなくて、改造してるんです。同僚の職人もそういう改造はやってる人はやってると思います。
靴は履き心地がいいものを選んでます。さっき撮ってもらった靴は僕のなんですけど、防水材を吹き付けるときに足元近くに吹きすぎちゃってああなりました。あれはもう今回で廃棄ですね(苦笑)。
仕事の中で得意なものは特にはないんですけど、何でも早いという自信はあります。早くしようと意識してた訳じゃないんですけど、ガムシャラに仕事に取り組んでたら早くなりましたね。
職人としての目標は、仕事でミスをしない職人になりたいっすね。うちらの仕事は変なことをやっちゃうと雨漏りとかするんですよ。作業のミスがそういう形でハッキリと出てしまう。だから、ミスはしたくないです。
防水での職人歴は7年になりましたけど、新しい人が会社に入ってこないんで、一生僕ら世代が下かもしれないです(笑)。会社として募集はしているんですけど、時代的に職人が減ってるんですかね。
仕事で工事した建物がきれいになるのはやっぱり気持ちいいんで、防水職人になる人が増えてほしいです。
掲載日:2022年1月14日
何ミリ単位の世界の作業を感覚でやらないといけないのが大変です。