YAMAKOSHI TATSUYA (age50)
山越塗装代表取締役 1968年5月9日、神奈川県横浜市生まれ。高校卒業後、医薬品問屋に就職。1988年に山越塗装に入社、2015年8月に代表取締役へ就任。一級塗装技能士、2級施工管理技士仕上げ、職業訓練指導員、有機溶剤作業主任、足場組み立て等作業主任、危険物乙4種ほかの資格を持つ
INTERVIEW
山越塗装代表取締役 1968年5月9日、神奈川県横浜市生まれ。高校卒業後、医薬品問屋に就職。1988年に山越塗装に入社、2015年8月に代表取締役へ就任。一級塗装技能士、2級施工管理技士仕上げ、職業訓練指導員、有機溶剤作業主任、足場組み立て等作業主任、危険物乙4種ほかの資格を持つ
Chapter 1
自分がこの世界に入った頃はバブル時代。きつい・汚い・危険の3Kと呼ばれていてサラリーマンになる方が多かったせいか(?)、この業界は人材が不足でした。私も最初は医薬品問屋に就職したんですが、早く終わらせるために効率よく働くことを心がけていました。たとえば、100軒の取引先を回るにはどういうルートでどういう順番がいいのかを考えていたんです。
また、商品の知識も覚えて、とにかく一生懸命働いたのです。ただ、新人として先輩のたちの帰社を待っていると、夜9時ぐらいになります。それから先輩方と飲み食いをしてから家に帰ると日付が変わることもあり、朝は6時頃には家を出る毎日でした。
このような生活なら、父のように職人として技術を習得することも考え始めた頃、父から同じ給料を払うから、塗装職人にならないかと言われたんです。悩んだ末、2年も勤めなかった会社を退社、この業界に飛び込みました。
塗装の仕事も前職と同じような姿勢で取り組み、現場で教えてもらうよりも仕事は見て、考えて、覚えていきました。たとえば、塗装に必要な足場もどのように組めば丈夫で使いやすいか、塗り始めはどこから塗れば綺麗に見えるかなど、日々勉強でした。
塗装に必要な資格は現場が忙しくても、父はこれからの時代はいろいろ必要だからと言って、行かせてくれました。いまでも、感謝しています。
Chapter 2
Chapter 3
Chapter 4
いま、やる気のある若い職人さんはたくさんいます。でも、なかなかすべての若い方に、技術がうまく伝わっていないと感じています。建設業界も3Kと言われた時代とバブル崩壊で私たちの年代の職人さんは意外に少ないですよ。ですから、技術や知識の高い職人さんの多くが60代、70代になってしまっています。
いまの若い親方のなかには収める塗装ができないで独立してしまった方も少なからずいます。ですから。10代、20代の若い職人さんたちが収める塗装を身に着けようとしても、なかなか親方から学ぶ機会も少なくなってきています。
技術継承として経験豊かなベテランが現役のうちに若い人には技術と知識を貪欲に学んでほしいと思っています。
昨春、三男の弘尭が会社に入ってきましたが、会社を継いでもらいたいとはあまり考えていません。私は、弘尭に塗装職人として、貪欲に技術、知識をたくさん身につけて自立して、技術を伝承してくれたらいいと思っているんです。
今後も私たちの世代は、やる気のある塗装職人に塗装技術をうまく伝えていくかが、課題だと思っています。
掲載日:2018/06/29
技術を次の世代にきちんと伝えていきたい