Ishikawa Sho (age24)
1996年3月23日、茨城県生まれ。父親は塗装業の職人だが、塗装の世界には進まず、高校卒業後には地元の工場に就職する。その工場を退職した後に、父の石川塗装に所属して、塗装の世界に。父のもとで職人として学び、現在では職長として現場を任されることも。つい最近結婚したばかりで、家族のために今まで以上に仕事への意欲を燃やしている。
INTERVIEW
1996年3月23日、茨城県生まれ。父親は塗装業の職人だが、塗装の世界には進まず、高校卒業後には地元の工場に就職する。その工場を退職した後に、父の石川塗装に所属して、塗装の世界に。父のもとで職人として学び、現在では職長として現場を任されることも。つい最近結婚したばかりで、家族のために今まで以上に仕事への意欲を燃やしている。
Chapter 1
実は最初は塗装の世界には入らず、地元の工場に就職したんですよ。親父は塗装業で、材料は家にあったし、ペンキで汚れた作業着もあったから、物心ついたころから塗装は身近なものではあったんです。
中学高校生時代には、親父が本当に忙しいときに「ちょっと来い」って言われて手伝ったこともありました。そのときは塗装の仕事が面白いなって感覚はあったと思うんですけど、それよりも大変そうだなって思いが勝っちゃったんですね。親父が忙しそうに朝早く家を出て遅くに帰ってくる姿、たまに日曜日とかにも仕事に行く姿も見ていたので、大変そうだなっていう印象を持っちゃったんですね。
工場には就職したんですけど、丁度そのころスノーボードにハマっていて、友達がリゾートバイトに行くってことで、「楽しそうだな」って軽い気持ちで自分もリゾートバイトに行くことにしたんです。それで工場は辞めたんですけど、バイトから帰ってきて仕事を探すときに、改めて親父の仕事のことを意識したんです。
中学高校のときは「塗装職人って大変そうだな」という思いが強かったけど、「家の中の親父じゃなくて働いているときの親父はどんな人なんだろう?」って思うようになったんです。それで一緒に働いてみたいと思って、親父に相談して、この世界に入りました。
Chapter 2
ひとりの職人として働き始めると、学生時代の手伝いとは全然違うなと思い知らされました。手伝いだったら「あれやっとけ、これやっとけ」って言われたものをやっていればよかったけど、今は自分で考えないといけないというのは、すごい感じています。親父が自分を見る目も全然違うものになっていますから、そのプレッシャーもありますね。より頑張らなきゃいけないと思ってます。
今、職人歴3年9ヶ月なんですけど、少し前から小さい現場などを任せてもらえるようになりました。現場を統括することになるので、今までとは違った視点で現場を見なきゃいけない。
周囲の話をちゃんと聞いて、その上で自分で考えて判断して、人に動いてもらわないといけない。これは本当にいい経験になります。
自分の裁量で現場を進められたときは、やりがいを感じますね。打ち合わせのときに自分が出したアイディアとか、ちょっとしたことでも、それで現場がうまく回って、そういうことの積み重ねで現場が終わったときに「ありがとう」って言ってもらえることがうれしいです。
そうした仕事を任せてもらえるのも、親父がいたからこそですし、自分の職人としての師匠は親父なので、本当に親父には感謝しています。
Chapter 3
当然なんですけど、まだまだ自分には職人として足りないところがあるなということは感じています。塗装って一口に言っても特殊な塗り方もあるし、勉強しなきゃいけないことは数え切れないくらいありますから。
自分はイワサ&M’sさんの現場でやらせてもらうことが多いんですけど、普段しない特殊な塗り方に関してはイワサ&M’sの吉岡さん(同社塗装工事部統括部長)としっかり打ち合わせをしますし、吉岡さんが開催している講習会にも参加して新しい技術を学ぶようにしています。
そうやって自分の引き出しを増やして、「いざバトル!」じゃないですけど(笑)、現場で監督と対峙したときに、どれだけ良いものを提案できるか。
他の職人さんが持っていない引き出しを自分がどれだけ持って、それを相手にプレゼンできるか。そういうことを意識しています。それから職長をやりだしてからは、コミュニケーション能力が必要だなってことも痛感しています。
実はつい最近結婚したばかりなんです。共通の趣味があって4年ぐらい前に知り合った人と結婚しました。緊急事態宣言が出て一度式を延期したんですが、コロナウイルス対策もしっかりして改めて式を上げました。「子どもが生まれたら、その子に後を継いでほしいか」ですか? 自分が継がせたいというよりも、子どもが「働いてる親父ってカッコいいな」と思ってくれて、子どもに継ぎたいって思ってもらえるような職人でありたいと思いますね。結婚して、そういう心が芽生えましたし、子どもが生まれたら責任感がもっと出るんだろうなと思ってます。
掲載日:2021/2/26
現場で良いものをプレゼンするためにも、自分の引き出しを増やさないといけない