Matsuzaki Shinichi (age40)
株式会社フクモト工業(プロタイムズ福岡北店)職長兼職人 1979年2月13日、福岡県中間市生まれ。高校卒業後、フクモト工業へ入社。工場での鉄骨塗装、営業を経て、町場での塗装を手がけている。6年前に小学校からの幼なじみと結婚。5歳の女児、2歳の男児の父
INTERVIEW
株式会社フクモト工業(プロタイムズ福岡北店)職長兼職人 1979年2月13日、福岡県中間市生まれ。高校卒業後、フクモト工業へ入社。工場での鉄骨塗装、営業を経て、町場での塗装を手がけている。6年前に小学校からの幼なじみと結婚。5歳の女児、2歳の男児の父
Chapter 1
高校卒業後、フクモト工業に入ってから、工場で建築私財、鉄骨などのガン吹き塗装をしていました。仕事は塗装ですけれど、屋内の工場ですし、塗るのも鉄骨がメインでしたから、工場で働いている感覚でした。それで、吹きつけ塗装の仕事をしていたんですが、2年ほどして、社長から町場の塗装仕事をしないかと声をかけられたんです。自分としても、戸建てなどの現場の塗装仕事がしてみたかったんです。それに、ガン吹き塗装よりも、手に職をつけることができるかと思って、仕事を変えることにしました。
同じ塗装といっても、工場での仕事とはまったく違いますので、営業の仕事もやらさせてもらいました。営業の仕事を体験してみてわかったことは――現場の仕事はお客様の顔を見ることが大切だということです。また、お客様が仕上がりを見て喜ばれている顔を見て、いつか自分の仕事でお客様を喜ばせてみたいと思ったことも、強く記憶に残っています。
Chapter 2
仕事として、ガン吹きよりも刷毛やローラーを使った塗り仕事のほうがやりがいを感じました。それに、やっぱり、お客様の嬉しそうな顔を見ることは、すごく励みになりました。
ただ、前の仕事との違いには戸惑うことも多かったですね。工場では施工・管理はある程度、マニュアル化されていますが、戸建ては現場によって、さまざまです。それに、お客様によって、こだわりのポイントも違いますから、満足していただけるためにはコミュニケーションが必要です。
そのために、うちではお客様と営業担当者、職人が「塗り替え交換日記」で毎日の作業を確認していますが、やっぱり、直接話したほうが伝わります。ただ、お客様もいちいち注文をつけるこ
とは職人に気兼ねしてしまうと思うんです。先輩職人たちの仕事ぶりを見ていると、「一を聞いて十を知る」みたいな仕事ができています。自分も、そういうことが自然とできるようになりたいですね。
もうひとつ。いまの仕事をやってみて、強く感じたことがありました。それは、現場にすごく愛着を感じることです。「ここは俺が塗る現場だ」「ここは俺が塗った現場だ」と他人に言いたくなるような、一つひとつの現場が自分の作品のような……日々、作品が残るような仕事をしている、なんて、心の隅で思っているんですよ(笑)。
Chapter 3
洗浄と養生には自信があります。とにかく、手間をかけて、慎重にやる――洗浄と養生でこのことを心がけておくかいないかで、次の作業がスムーズにいくかどうかが決まります。また、入念にチェックすることで、洗浄だったら雨漏り、水漏れを起こさないようにできますし、養生だったらきれいにすばやく作業ができるだけでなく、お客様の生活に差し障りがないようにすることもできます。
ちょっとしたこと、ささいなことが大きな事故やクレームにつながりかねませんからね。「ヒヤリ・ハット」、重大な災害や事故には至らなかったものの、そうなってもおかしくない一歩手前
のことは現場ではよく起こります。足場から落ちそうになったこと、実際に落ちてしまったことは何度もありますが、幸いにして、大けがには至りませんでした。昔でしたら、無事でよかったとほっとしてただけでしたが(笑)、いまではなぜ落ちそうになったか原因を考えて、同じ状況にならないような工夫をするようにしているんです。
そして、お客様からのクレームに発展するようなヒヤリ・ハットも毎日の現場にあると思うんです――小さなことを見逃さずに、仕事のクオリティを上げていきたいと思っています。
Chapter 4
6年前に小学生時代からの幼なじみと結婚しました。ずっと交際していたんですが、永い春を楽しんでいたというか……。いま、二人の子供がいますから、頑張らなければならないと思っています。3年前、一級塗装技能士の資格を取りましたし、いまの仕事で必要になる資格は取得したのも、家族ができたことがモチベーションになりました。
今年、「不惑」の年齢、40歳になりました。なかなか「四十にして惑わず」の域には達していませんが、5歳と2歳の子供たちを育て上げていくために、この仕事を続けていく覚悟はできました。
これまでにやめたいと思ったこともありませんでしたが、将来を具体的に考えるようになったということです。ただ、自分は仕事自体が好きなので、とくに独立することは考えていないんです。とにかく、毎日、コツコツ努力を続けていきたいですね。
掲載日:2019/10/15
一生、塗装職人を続けたい――そんな仕事が見つかって、幸せだと思っています