Yoshimitsu Kondoh (age43)
1974年1月15日、岡山市生まれ。高校卒業後、医薬品メーカーで営業職に就く。勤務5年で退職、家業の塗装へ転職。2年前、父・守さん(69歳)がセミリタイアして、一本立ちする。2年下の妻、小学6年生の長女と岡山市内で暮らす。
INTERVIEW
1974年1月15日、岡山市生まれ。高校卒業後、医薬品メーカーで営業職に就く。勤務5年で退職、家業の塗装へ転職。2年前、父・守さん(69歳)がセミリタイアして、一本立ちする。2年下の妻、小学6年生の長女と岡山市内で暮らす。
Chapter 1
20年前に父に誘われ、塗装業界に入りました。学生時代から夏休みなど、アルバイトで手伝っていたので、仕事の内容もわかっていましたからね。といっても、塗るような仕事はさせてもらえず、現場の掃除や下手間でしたけれど、つらいとか苦しいということはありませんでした。ただ、転職するとなると、高校の夏休みに現場を手伝っていたのとは、わけがちがう。毎朝、覚悟をもって現場に入ることになる。職人ならではの緊張の日々の始まりです。2年前に親父がセミリタイアして、仕事を引き継ぐ形で一本立ちして“親方”になりました。いまは、若い衆もいます。
でも、塗装の仕事は奥が深い。やればやるほど課題が見つかってくるから、いまも修行中です。塗装職人になる前は、医薬品メーカーで5年間、働いていました。営業の仕事で、楽しくないわけではなかったけど、父から誘われたことで肩を押された。正直、悩みました。転職することにしたのは、職人としての父の背中を見て育ったからですね。そりゃ、カッコよかったですよ。最初は、現場の掃除や下手間でしたけれど、つらいとか苦しいということはなかった。毎日、発見がありました。
Chapter 2
Chapter 3
近藤さんが愛用している「『伯爵』筋違白20号」。細かい塗装をするための高級刷毛だ。 筋違とは毛が柄に斜めになっている刷毛のことで日本独特の形状で細かい作業に向いている。号数は毛幅で決まり、20号は毛幅55mm。ちなみに「伯爵」の毛はヤンオ(山羊の尾毛)。腰があり、耐久性に富むという特徴がある
Chapter 4
父が親方だったこともあったから、仕事を始めて、すぐに刷毛を握らせてもらえました。もちろん、うまく塗れないので、父の仕事ぶりを見て、尊敬というか、目標になりましたね。 ただ、やはり現場は、場数を踏むことで仕事が身についていくものだと思います。
毎日現場に出て、それをたくさんくりかえすことで、職人は一人前になっていくと思うんですね。今日まで20年間、この仕事を続けられてきたのは——自分に向いていたからだと思います。やっぱり、塗装の仕事は面白い。 現場一つひとつに達成感があるんです。
掲載日:2018/05/07
職人姿の父を見て育ち、そしてボクも職人になった