INTERVIEW
1969年9月16日、千葉県生まれ。職人歴27年。若い頃はサーフィンに没頭し26歳の時に塗装の道に入る。様々な現場仕事を経験する中で、塗装の仕事が一番ビビっと来た。以来、仕上がりの「カッチョ良さ」を求めてイメージを膨らませてこの仕事に没頭している。「株式会社マーブル」という社名は「輝く石」という意味に加え、親しみやすさとカラフルなイメージを込めた。〈一般社団法人建設職人甲子園〉代表理事。ユーチューブチャンネル、ぺンキ屋マー坊【ハナマルもらえる外壁塗装専門店】も開設している。株式会社マーブル。
http://marble-paint.com
Chapter 1
塗装を始めたのは26歳の時です。デビューとしては遅かった方だと思います。それまでは、千葉の海でサーフィンに没頭していました。生活の中心が仕事よりもサーフィン。波に乗るために、さまざまな建設系の職に就きました。自分の将来を探していたのですね。
少年時代から絵が好きで、人から頼まれた時にだけ描いていました。自ら創作意欲は湧いてこないので職業にするにはNGでしたが、持ち前の技術で人を喜ばせたいと言う思いはこの頃からあったのだと思います。
「もしかして絵に通じるものがあるかもしれない」と飛び込んでみたのが、塗装を始めたきっかけです。私の性格にフィットし、すぐにやりがいと楽しさを見出せました。
独立して自分の会社を設立してからは、「カッチョイイ」塗装工事にこだわっています。塗装の一番の目的は、“塗料を用い職人の技術で最高の保護膜を施し建物を守る”事にありますが、私達（塗装職人）は表現者（アーティスト）であるという事を忘れてはいけないと思います。弊社独自のセンスと表現力で最高に「カッチョイイ塗装工事」をお届けする事に注力しています。
時折「こんなハズじゃ無かった」と、施主の心の声が聞こえて来そうなハウスデザインを台無しにしてしまう塗装工事を街中で目にします。完成形がイメージ出来ない施主様の言われるがまま塗装してハイ終了みたいな感じだと思われます。
私達は完工時に「こんなハズじゃ無かった」という声を絶対に聞きたくないので「こうした方がカッコいいですよ？」「こうした方がハウスデザインが活きますよ？」など様々な提案とテスト施工を繰り返します。すべては「新築した時よりもカッチョイイ家に仕上げて差し上げたい」という思いから来ています。施工する職人のカッチョイイユニフォームもしかり、全ての表現のこだわりを「カッチョイイ」という言葉に込めました。
自分の会社<マーブル>を設立してからは、お客さまへオンリーワンの表現を提案して、「街を彩る自分達の作品」と胸を張れるものを創り続けています。
Chapter 2
家の塗り替えって、10数年に一度、高額な予算をかけて行う大きな買い物ですよね。「必要不可欠だからしょうがない」と、渋々決断する方もいらっしゃるかも知れませんが、私達は「せっかく塗装工事をするなら、みんなで楽しめる家族の一大イベントにしましょう！ 最高の思い出作りにしましょう！」という気持ちでご提案させて頂いております。
オリジナル工法などを用いて他では味わえないオンリーワンの仕上がりをご提供する事に始まり、外壁にお好きなペットのイラストや、好きな球団エンブレムなどを描くなんて事もあります。お子様にも楽しんで頂こうと「チビッ子塗装体験」なども行っています。小さなお子様にご自宅の外壁を好きなように塗装して頂くワクワク企画です。当然最後はプロがコッソリ手直ししますが（笑）。
私は〈一般社団法人 建設職人甲子園〉という建設業界活性化団体の理事長をやっているのですが、その活動の中に「チビッ子建設王国」という職業体験イベントがあり、チビッ子達に大好評なんです。うちの現場でもやってみるか、と思いついたのがきっかけです。塗料が飛んでも大丈夫なように、私たちが提供した職人と同じ服を着て子供たちは大喜びで自分の家を塗り始めます。楽しそうにいつまでも塗っていますよ。
少年少女時代の一生の思い出になりますよね。プラスして自分の家に愛着がわく。「この部分は僕が塗ったんだよ！」と友達に自慢したり、塗った外壁を汚さないようにと家を大切にするようにもなる。塗装工事をエンターテインメントのイベントとして楽しんでもらいたいという気持ちと、塗装という仕事の面白さや素晴らしさを一般の方や子供達に伝えていきたいという双方の思いがあります。次世代の担い手創りも私達の仕事だと思っています。
Chapter 3
家族は妻と高校2年生と中学2年生の息子が二人います。家族でキャンプに行くのが大好きだったのですが、子供たちも成長して近頃はなかなか付き合ってくれません（苦笑）。
下の子が野球好きなので、最近は家族皆で野球観戦に出かけます。ベイスターズのファンなので横浜スタジアムが多いです。好きな選手は山崎康晃投手。今期37セーブの抑えのエースで東京オリンピックで金メダルも取っています。サーフィンは今はやっていません。スポーツはゴルフくらいです。スコアは、笑われてしまうのでかんべんしてください。
自分の半生を振り返ると、サーファー時代は自分を中心に物事を考えていましたが、塗装の仕事と出会う事で相手を思いやる気持ちが高まっていきました。塗装に限らず職人は、相手の気持ちに寄り添い、その人の想いを持ち前の技術で表現する仕事です。相手の思いに近づき通じ合える事で、自分の熱量も上がり想像を超える仕上がりを提供したくなる。そして感謝の見返りとして対価を頂けるやりがいのある仕事です。だからやめられませんね。
掲載日：2022年10月21日
人に寄り添うほど熱量が増す。塗装とはそういう仕事だと思う。