Seki Yusuke (age43)
1979年9月2日、東京都生まれ。一級塗装技能士。現在は株式会社CUD(https://cud.co.jp)の代表取締役を務める他、株式会社日本意匠商店で取締役を務めている。20代のころに始めたバンド活動は現在も精力的に継続中。もともとはドラムス担当だったが、現在のバンド「SUN TA LAS」ではギター・ボーカルを担当。その楽曲はYouTubeのMVなどでチェックできる。
INTERVIEW
1979年9月2日、東京都生まれ。一級塗装技能士。現在は株式会社CUD(https://cud.co.jp)の代表取締役を務める他、株式会社日本意匠商店で取締役を務めている。20代のころに始めたバンド活動は現在も精力的に継続中。もともとはドラムス担当だったが、現在のバンド「SUN TA LAS」ではギター・ボーカルを担当。その楽曲はYouTubeのMVなどでチェックできる。
Chapter 1
昔からバンドをやってたんですよ。ずっとやってたサッカーを怪我で止めた後に何か始めてえなと思って、高校生のときにも遊びでちょっとバンドをやってたんですけど、21~22歳ぐらいから本格的にバンドを組んだんです。
最初の頃はパンクとかハードコアとかの激しい音楽をやっていて、今は「SUN TA LAS(サンタラス)」っていうラッパーやサックスも入ってる、ちょっとキャッチーな感じのバンドをやってます。
音楽を始めたときから別にプロ志向みたいなものはなかったんですよ。バンド活動がお金になって食っていくっていうのは、
あんまり現実的じゃないなと思って。“本気の草野球”みたいな感じで、仕事は仕事で持っていて、バンドは息長く楽しくやりたいなって考えてたんです。
塗装職人になったのも、現場仕事なら時間の融通が利いてバンドをやりやすいなと思ったからなんですよ。バンドをやりながら、広島風お好み焼き屋でひたすらお好み焼きを焼いてたんですけど、飲食店は時間が長いじゃないですか。たまたま友達がペンキ屋をやってて、「やってみれば?」って言われて塗装の世界に入りました。だから、どうしても塗装の仕事がやりたいって訳じゃなかったんですよね(笑)。
Chapter 2
塗装の世界は、何て言うかな、いい意味でゆるいと思いましたね。もちろん仕事に対しては厳しく取り組んでるんですけど、極めて人間らしいというか。職人は厳しいものってイメージもあるかもしれませんけど、そういう空気があるから若い人が入ってこないんじゃないかなとも思います。
仕事は楽しくあるべきで、やることはしっかりやって、終わったら「はい、終わり!」っていう感じが出てる業界なんじゃないですか。そういう世界だから、最初から自分の性に合ってると感じましたね。
最初に入ったところの親方も「勝手に残業するな」と怒るような人で、やりやすかったです。次の親方は色んな現場に応援で行く人で、大手ゼネコンから町場まで、ありとあらゆる現場に行きましたね。そこでいい職人さんたちと知り合って、今も一緒に仕事をしています。
ただ、その仕事のやり方に限界も感じていたんです。結婚して子供ができたこともあって、「しょうがない。自分でリスクを取るしかないか」と思って独立しました。「誰かいい感じの人の下でひょこっとやっていけたら」って考えだったから、「独立するぞ!」みたいな野心は全然なかったんですけどね(笑)。
最初は個人事業で、会社(株式会社CUD)にして7年ぐらいです。ウチの奥さんが事務の面とかで面倒見てくれて、ホームページも作ってくれたりしてます。それがあるからやってこれましたね。
Chapter 3
「WA COLOR(和カラ)」という塗料も扱ってるんですよ。そちらはCUDとは別の会社(株式会社日本意匠商店)でやってます。色って数字やアルファベットの番号で指定しますよね。でも、日本にはもともと伝統色があるんだから、そういう色を集めて、名前も「鉄紺(てっこん)」や「月白(げっぱく)」とかの伝統色の名前をつけた塗料を作ったら、色に関する認識が広がっていくかなと思ったんです。
お客さんにWA COLORをご提案して、今回の現場でも鉄紺を選んでいただいてます。「もっと色を選ぶ側が選びやすいものを提示できないかな」「日本の伝統色をまとめればいいんじゃないか」と考えたのが、WA COLORを作ることになったきかっけなんです。
WA COLORは「平米売り」をしてるんですよ。塗る面積に対して「これぐらいの塗料が必要です」とお客さんに提示するんです。そうやって、最終的には余った塗料を回収するという形にまでしたいんです。そうすれば無駄なゴミもでませんよね。そのためにも色の価値を高めたいんです。
そんな感じで、塗装ってまだまだ色んなことがやれる可能性があると思ってます。僕自身としては、若い職人さんたちも前向きで仕事できる場を提供したいですね。
関さんとCUDの仕事に携わる高い技術を持った職人の方々。背景の壁に塗られているのが、WA COLORの鉄紺である。
掲載日:2022年10月21日
選ぶ側の色に対する認識を広げるために日本の伝統色の塗料を作りました。