Nishi Toshitsugu (age52)
1970年8月10日、高知県生まれ。鉄鋼関係の職人や某社営業マンなどを経て、伯父が経営する有限会社沢田塗装店に入社。2010年に沢田塗装店の3代目の代表取締役に就任し、2021年9月に有限会社高装に社名を変更した(https://kochi-kenso.jp/)。お客様に喜んでもらうことを第一目標として、高知の様々な建物の塗装を手掛けている。
INTERVIEW
1970年8月10日、高知県生まれ。鉄鋼関係の職人や某社営業マンなどを経て、伯父が経営する有限会社沢田塗装店に入社。2010年に沢田塗装店の3代目の代表取締役に就任し、2021年9月に有限会社高装に社名を変更した(https://kochi-kenso.jp/)。お客様に喜んでもらうことを第一目標として、高知の様々な建物の塗装を手掛けている。
Chapter 1
私は高装の3代目で、創業者は母方の祖父なんですよ。2代目の先代は、母の弟、つまり伯父です。私の父はもともとは会社員だったんですけど、結婚して私が生まれたのをきっかけに祖父に誘われて28~29歳の頃に塗装職人になったんです。
私は鉄鋼関係の職人とかをしていたんですが、父と同じように28歳ぐらいの頃に、先代に誘われて塗装業界に入りました。先代には会社を継がせる跡取りがいなかったんです。私はそれまで営業の仕事もしていて営業成績もよかったんで、たぶん会社の経営もできるんじゃないかと先代は思ったんでしょうね。
ただ、今言った営業というのは、実は社会問題にもなった某企業での仕事だったんですよ。仕事をしてると段々会社の事情や、モノがいくらで出来ているかっていうのが分かってくるじゃないですか。会社側の利益だけを考えて、お客さんを犠牲にしている。これはあかんなと思いました。
塗装業界に入ると、お客さんに喜ばれる仕事をしているから全然違うなと最初から実感しましたね。
Chapter 2
高装のホームページには、私の離婚のことや取引先の倒産での業績悪化のことも書いてます。普通、そういうことは書かないと思うんですけど、自分は嘘をつけない性格なんです。すぐ顔に出てしまいますし、この年齢になってやっと分かったんですけど、嘘を言ったらどんどん話を嘘で塗り固めていくことになるじゃないですか。
それだったら、初対面の人でも最初から本当のことを本音でしゃべったほうが話が早いなと思ったんです。実際、ホームページを見て「共感しました」と言う人もおるんですよ。
高装は塗魂ペインターズ(塗装技術を社会に還元することを目的としたボランティア団体。「職人図鑑」でも、所属団体の方々にたびたび登場していただいている)のメンバーなんですけど、もう塗魂の立ち上げの最初から入ってました。
塗魂では色々とボランティア活動をしてます。以前は塗装業界のイメージは悪かったと思うんですけど、そうした活動もあって、徐々にイメージはよくなってきてるのかなっていうのはあります。やっぱり職人の地位は向上させたいですよね。
Chapter 3
1回結婚には失敗しましたが、再婚して、私生活は順風満帆です。妻とは時々旅行に行くようにしていて、それが夫婦の楽しみですね。
趣味は磯での釣りで、イシダイ釣りが主ですね。イシダイは10年以上やってます。今年釣れたのは小さいのが2枚で、目標は60センチなんで、まだ目標に達してないです。
酒も好きですね。高知は酒どころなんで、まずい酒はないですよ。日本酒だと好きな銘柄は美丈夫、久礼(くれ)です。高知の焼酎は栗焼酎なんですけど、栗焼酎も結構有名になりましたね。
以前は高装には自社職人もいたんですけど、その体制だと甘えが出てきて品質が下がってくるんですよ。それもあって、すべて外注にする方向に切り替えました。
そうやって質を上げて、高知で一番お客さんに喜ばれる会社にしたいですね。もちろん自社の存続や会社を大きくするということも大事ですけど、いくら儲けてもお客さんが喜んでくれんかったら意味ないなと思うんですよ。
塗装職人を目指す若い人は、自分もそうだったんですけど、最初から「絶対に塗装をやりたい。これしかない!」っていう人はそんなにおらんと思うんです。だから業界に入って仕事をやりながら楽しさを覚えてほしいし、そういう人が夢を見ていけるような業界にしたいですね。
掲載日:2023年8月3日
いくら儲けてもお客さんが喜んでくれんかったら意味ないなと思うんですよ。