Sakurai Hideki (age50)
櫻井シール代表 1968年5月19日、群馬県生まれ。25歳でコーキング会社に就職、30歳で独立。アルバイトも含め職歴28年。趣味は闘鶏と総合格闘技、173㎝、82㎏のマッチョな体格を誇る
INTERVIEW
櫻井シール代表 1968年5月19日、群馬県生まれ。25歳でコーキング会社に就職、30歳で独立。アルバイトも含め職歴28年。趣味は闘鶏と総合格闘技、173㎝、82㎏のマッチョな体格を誇る
Chapter 1
高校卒業後、洋服店、運送店などで働いた後、25歳からこの仕事を本格的に始めました。もう25年も経ちましたが、友人がコーキング屋に勤めていて、22歳くらいから休みに手伝っていたので、アルバイトも含めると職歴28年ほどになります。
バブル経済やその名残もあったので、この業界も景気がよかったんですよ。友人が働いていたのは55人くらいも社員がいた大きな会社だったこともあって、その会社に入れてもらいました。それほどの力仕事でもありませんし、しっかり技術を身につければ、年齢をくってもずっと続けられるだろうとも考えたんです。
約5年、その会社で働いて、30歳で独立しました。最初から独立志向が強かったわけでもないんですが、独立しやすい職種なので、自然な流れだったんです。
独立資金もさほど準備しなくても大丈夫でしたからね。いまのようにコーキング材が1液でなく、2液だったので15万円ほどの攪拌機、コーキングガン(シーリングガン)、それにクルマが必要だったくらい。その会社から直接、仕事を回してもらうことはありませんでしたが、いっしょに働いていた違う職種の現場仲間からの紹介もあって、ずっと切れ目なく仕事を続けられています。
Chapter 2
独立した時期が、時代としてよかったのかもしれません。仕事はいまの半分程度しかこなせていなかったけれど、単価がよかった。いまは単価が下がっていますが、その分、仕事量をこなせるようになっています。逆に考えると、昔並みの単価だったら、すごく儲かっていたのかもしれませんが、いいようにとらえないと(笑)。シーリング材などの材料代も値上がりした分、ますますたいへんになっていますけれどね。
コーキングの仕事はたいてい二、三日の仕事ですが、そこが自分にとって、楽しいところですね。いろいろな現場を回って、さまざまな人たちと知り合うことができる。それに、コーキング屋は、大工さんや(壁材の)張り屋さんなど、いろいろ他の業種との共同作業になるんです。仕事を回したり、回してくれることも多いんです。
ただ、それだけに、工期を守らなければならないし、絶対、手を抜けない。というか、いい仕事をしないと、仕事がうまく回っていかないところもあるんですよ。
あと、新築でも、リフォームでも、それほど作業量は変わらないんです。リフォームでの外壁の張り替えでも、コーキングの打ち直しでも、さほどの違いはありません。考えてみると、たまたまですが、いい仕事の職人になれたと思いますね(笑)。
Chapter 3
結婚は二度しているんですが、いまは17歳と14歳の女の子の子供がいます。生意気盛りで、お金がかかる年頃ですが、独り者と違って、これからも頑張らなくてはいけないというモチベーションにはなっています。いまも夜はいっしょに寝ているんですが、あまり遊んでくれない(笑)。女房と女3人で沖縄とかに旅行することもありますが、「お前らだけで楽しんでこい」と自分は留守番をしているんです。
趣味は闘鶏と総合格闘技です。今日の現場はFT工業の福本貴之さんといっしょなんですが、彼とは現場ではなく、趣味の闘鶏で知り合ったんです。競技会で仲よくなったら、同じシーリング屋だったので、それから現場をともにするようになったんですが、仕事も趣味も、腕は確かですね(笑)。
総合格闘技は2試合、出場したことがあります。一つめは秋田県で行われた大勝軒プレゼンツ「クレイジーサーカス」、もう一つは群馬発の総合格闘技イベント「RooKy(ルーキー)」の旗揚げ戦で、両方、メインイベントを務めさせていただきました。
修斗四天王の一人「野生のカリスマ」、桜井〝マッハ〟速人選手とも付きあいがあります。偶然、名字は同じなので、自分のリングネームは桜井〝マック〟英樹です。〝マッハ〟に対抗してね(笑)。
最近は試合に出ていませんが、トレーニングは続けていて、いまでもベンチプレスで160㎏をあげられます。前妻との息子は、裕也というプロのキックボクサーなんですよ。K-1やKrush.のリングにあがっているんですが、たまに彼とスパーリングをすることもあります。
Chapter 4
コーキング、シーリングって同じ意味なんですけれど、昔はシーリングと呼ばれることが多かったんですよ。それに、シーリングをシールとも言っていたので、シンプルなほうがいいかと思って「櫻井シール」を屋号にしたんです。名刺を渡すと、どういう仕事ですかと100%、聞かれます(笑)。普通のシール屋と勘違いされることも多いんですが、いまさら変えようとは思っていません(笑)。
今日は違う現場に行っていますが、10年前から2歳年下の48歳男性に下で働いてもらっています。もともと知り合いだったんですが、失業したと聞いて、働いてもらうことになったんです。アラフォーでまったくの未経験者でしたが、いまは一人前の仕事ができるようになりました。
独立してから20年、いろんな人間に自分の下で働いてもらいましたが、いまもコーキング屋をやっているのは数人です。若いコたちだったので、他にやりたいことが見つかったんだと思います。それに、独立するには、腕も必要だけれど、仕事をもらったり、回してもらうことが、大切ですからね。いまの48歳男性はこれから独立するとしたら、仕事を回してあげないとむずかしいと思います。ただ、ずっと下で働いてもらうにしても、妻子もいるので、それなりの給料を払っていかないと……。いろいろ、むずかしいですね。
掲載日:2018/11/14
この仕事の楽しいところはさまざまな出会いです