Ishizuka Maiki (age25)
株式会社近藤塗装勤務 1993年5月11日、東京都生まれ。亜細亜大学法学部を2年で中退。アルバイト生活を経て、2014年に近藤塗装に就職。趣味はサッカー、フットサル
INTERVIEW
株式会社近藤塗装勤務 1993年5月11日、東京都生まれ。亜細亜大学法学部を2年で中退。アルバイト生活を経て、2014年に近藤塗装に就職。趣味はサッカー、フットサル
Chapter 1
ずっとサッカー少年だったんです。少年の頃からサッカー選手になりたくて、高校はサッカー推薦で日本学園高等学校に進んだんですが……レギュラーにはなれましたが、やっぱり、プロになるのはむずかしいですからね。
それで、消防士になりたいと思って、大学へ進むことにしました。ただ、それほど思いが強いわけでもなかったので、何か中途半端な感じになってしまった。それで、大学は2年まで通って中退、アルバイト生活を送っていたんです。アルバイト先は学生時代から続けていた飲食系でしたが、飲食の仕事をしたかったわけでもなかった。将来、自分の店を持ちたいとか、そういう夢もありませんでしたしね。
そんなところ、小学校、中学校の同級生、曲渕嵩秀君から、実家が経営する近藤塗装で塗装職人としていっしょに働かないかと誘われて……自分としては、いつまでもフリーター生活を続けているわけにはいかない、定職に就かないといけないと思っていたんです。ただ、前向きな気持ちになれず、就職活動もしていなかった。正直、このままではダメだなあという。それで、いいチャンスかと誘いに乗ったんです。そもそも、塗装という仕事に興味もありましたからね。
アルバイトしていた飲食は仕事自体が嫌いだったわけではないんです。お客さんと会話する接客も面白かったですし、それなりのやり甲斐はありました。でも、塗装の仕事を始めてみて、それ以上に、すごく楽しいと感じたんです。塗ることによって、きれいに仕上がっていく――もちろん、最初は思うようにいかなかったけれど、それでも、自分なりの仕事をしている実感、充実感がありましたから……。
Chapter 2
塗装の仕事を始めて感じたことは……この仕事は、自分のなかに入っていけるんです。というか、言い方がむずかしいんですが、仕事に没入することで、自分の世界に入っていけるという。そういうところが、自分に向いているのではないかと思いました。
また、会社には目標とする、職人として憧れる先輩もいました。塗装コンテストで日本一に輝いた先輩もいて、その凄腕ぶりには驚きましたよ。この仕事についてまだ4年なので、僭越なんですけれど、自分もそういう職人になれたらと思っています。いつか、全国建築塗装技能競技大会に出場できるような一流の腕を持ちたい、と。大会に出場すること、日本一になることが目標ではありませんけれどね。
いまの仕事は外装、内装が半々くらいです。いまのところ、どちらかというと、内装のほうが好きですね。いや、好きというか、いま積極的にこなしていきたい仕事です。それは、まだまだ職人修行中ですから、できるだけていねいに仕事をこなしていきたいからです。外装をていねいにやっていないわけではないんですが、内装のほうが気を遣います。養生にしてもきちんと施さないと、思わぬところを塗料で汚すことになりかねません。それに、天候に左右されず、仕事にじっくりと取り組めますからね。
小学校、中学校の同級生は曲渕君だけでなく、佐藤優気君も近藤塗装で働いています。気心が知れているから、やっぱり、働きやすいですよ。ただ、やっぱり、二人へのライバル意識みたいなものはあります。二人とも塗装職人として先輩ですけれど、追いつきたいし、追い越したい――そのことは、仕事の張りになっています。
Chapter 3
将来的には、一国一城の主になることが目標です。始めてすぐにはそんな夢はなかったんですが、だんだん仕事に慣れるうちに、塗装という仕事のおもしろさに目覚めていくうちに、独立したいと考えるようになりました。
塗装の世界で生きていく覚悟を決めたわけですが、自分としては、ずっと現場で仕事をしていきたいんです。会社をつくって、経営していくとなると、そういうわけにはいかず、そこがジレンマでしたが……。夢が広がったというか、具体的な道筋が見えてきたんです。他の塗装会社で働いている高校の友達がいるんですが、昨年、彼と飲んでいて……意気投合して、将来、いっしょに塗装会社を立ち上げようという話になったんです。
それで、これから自分は塗装職人として一人前、一流になることを目指し、彼は職人として働きながら会社のマネジメント、経理とかを勉強していくことにしよう、と。まだそれほど具体的な話にはなっていませんが、働くこと、技術を向上していくことへの大きなモチベーションになっています。
Chapter 4
それから、彼と会うたび、酒を飲みながら、将来のことを話しています。高校時代から付き合いがあって、性格から何からわかっているので、信頼できるヤツでしたが、ますますそういう思いが強まっているんですよ。お互い、いい相棒という感じになっているんです(笑)。
いま付き合っている彼女は、2つ年上の27歳なんです。自分はあまり意識していないんですが、彼女は30歳くらまでには結婚したいと思っているのかもしれません。いまのところそういうそぶりは見せていないと思うんですが(笑)、真剣に付き合っていますから、彼女の気持ちには応えていきたいと考えています。
独立は将来の夢ですが、何年先になるかはわかりません。ですから、結婚のほうが先になるかもしれませんね。でも、独立するにしても、結婚するにしても、いまやらなければならないことは……塗装職人として、一人前になることしかありません。
独立するにしても、自分が現場を担当することになる予定ですから、一流の塗装技術を身につけていかなければなりません。いまのところ、持っている資格は有機溶剤作業主任者、高所作業車運転者くらいですが、どんどん挑戦していきたい。一級塗装技能士にも、実務経験7年という資格を満たしたら、すぐに受検しようと思っています。
酒を飲むのが好きなんです。飲みながら、将来に思いを馳せると……日々、夢に近づいて仕事をしている充足感に満ちてきて、いい酔いかげんになってくるんですよね(笑)。
掲載日:2018年12月10日
塗装の世界で生きていく覚悟を決めました