Etou Sadanao (age35)
E.TOKEN代表 16歳で軽天屋に入り、19歳で塗装の道へ。仕上がりを直接お客さんへ届けられる塗装の仕事に魅力を感じた。以来塗装一筋16年。脂が乗りきっているのが、見ただけで分かる職人中の職人だ。趣味は仕事。だだひたすら仕事に生きている
INTERVIEW
E.TOKEN代表 16歳で軽天屋に入り、19歳で塗装の道へ。仕上がりを直接お客さんへ届けられる塗装の仕事に魅力を感じた。以来塗装一筋16年。脂が乗りきっているのが、見ただけで分かる職人中の職人だ。趣味は仕事。だだひたすら仕事に生きている
Chapter 1
『職人図鑑』の取材を受けるなら、「これを一番に言いたい」ということが自分にはあります。それは――自分は一流を超えた超一流のプロの職人だ!という意識と自信をもって現場に立っている!
塗装の仕事に入る前は、16歳から3年くらい軽天屋をやってました。軽天屋は壁や天井を、軽量の鉄骨材を使って組んだりボードを貼っていく仕事。
塗装へ仕事を変えたのは、仕上げ工事に対する強い思いです。現場で働きながら、「いったい自分は、何を作っているのか」ということを考えながら働いているうちに――突き詰めてみると、お客様の気持ちをダイレクトに感じれらるものを作りたい! そこに行きつきました。
Chapter 2
仕上がり、速さ。お客様にダイレクトに自分の仕事を伝えることができるのが、塗装の魅力です。お客様の気持もまたダイレクトに返ってきますね。それが嬉しくて、今日も現場に立っています。
「プロ」というのは、一つではないと思うんですよね。「上手やね。さすが素人とは違うね」と言われるのがただのプロ。「ほう~、やっぱプロは凄いねえ」と相手を感心させるのが一流のプロ。さらにその上に「はあ、これは想像を超えていたわ。驚いた、頼んでよかった、ありがとう!」とお客さんを感服させるのが超一流のプロ。
自分は、超一流のプロ!という意識をもって最高の仕事をしている自信がある。毎日そのための努力をして現場と向き合います。
若い頃は、力任せの仕事をしていた時代もあります。力任せとは、体力勝負で仕事の速さを極めようということです。それが職人の強さだし、お客様のためでもあると思っていた。でもあるとき、「何かが違う」と気が付いたんです。塗装って、ものすごく奥が深いんです。考え方、モノの見方、捉え方が変わると、作り上げるものがガラっと変わってくる。こんな面白い仕事はないです。
Chapter 3
現場で同じようにペンキまみれになっている塗装屋さんですが、頭の中はみんな違う。そしてその違いが、仕上がりに出るんです。世間では塗装屋さんは、汚い仕事でバカが多いと思われがちだが、バカでは絶対に超一流にはなれません。
僕たちには想像力も大切です。現場に入った瞬間に施工完了後の光景を想像します。なぜなら自分の納得がいく仕事を効率良くできるように。
お客様に喜んで頂ける仕上がりとは?そのための最短工程は?――僕らの頭の中では、常に様々な事が同時に計算されてます。
塗装の仕事が特殊なのは、プロ/一流のプロ/超一流のプロが受け持ったどの現場も、引き渡し時には、同じように美しくきれいに見えることです。まがりなりにも「プロ」と呼ばれる職人が刷毛を持ったら、素人目にはきれいに見える。
ところが――5年後、10年後に仕事の真価が見えてくる。表面がボロボロ剥げ、錆が浮き、汚くなってしまう塗装と、長い年月を経ても施工直後となんら遜色がない塗装。自分は10年15年後「ああ。あの職人は超一流だったんだ。安いのが売りの職人じゃなかったが、頼んでよかった!」と言われる職人になりたい。
Chapter 4
プライベートで趣味はありません。仕事だけの職人です。今週も先週も日曜日はありません。たまの日曜も、材料や技術的ことを調べてるうちにあっという間に一日が過ぎてしまう。ふいに雨の日が休日になるけれど、休息は明日の仕事のためのものです。飲みにも行きません。女遊びもしません。身体が資本の仕事だけに自己管理も仕事のうち。好きな事を仕事にできるって、なかなかないことだと思うんですよね。でも自分は、好きな仕事につけている。「好きこそものの上手なれ」本当に仕事が楽しくたまらない。
僕は間違いなく仕事に厳しい職人です。今、僕の右腕になってくれるであろう職人を育てています。厳しさの中にも愛を感じてくれるような指導を心掛けています。
彼がどんな職人になってくれるのか、それは僕のこれまでの真価が問われるところですね。人育ては自分育て。
最後に――もう一度言わせてください。自分は一流を超えた超一流のプロとして今ここにいます。この気持ちを、全国の職人の皆さんへ伝えたいです。
掲載日:2019/10/15
俺はただのプロじゃない。超超一流の誰にも負けん熱い心をもった塗装のプロ中のプロだ!