Tsukita Yasumasa (age39)
1980年6月24日生まれ。39歳。職人歴20年。一級塗装技能士の他、職業訓練員の資格を持っている。勤務先の(有)ペイントスタッフでは職人として現場に出ながら、部長として新人を育成するのも大きな仕事だ。一流の塗装技術は当然のことで、明るいチームワークのある現場をモットーとしている
INTERVIEW
1980年6月24日生まれ。39歳。職人歴20年。一級塗装技能士の他、職業訓練員の資格を持っている。勤務先の(有)ペイントスタッフでは職人として現場に出ながら、部長として新人を育成するのも大きな仕事だ。一流の塗装技術は当然のことで、明るいチームワークのある現場をモットーとしている
Chapter 1
地元に建築関係で働いている同級生が多くて、そのうちの一人が塗装をやっていて、「人が足りないから来てくれないか」と誘われて塗装を始めました。だから初めはバイトのような感じです。やることはホースの手元だったり養生だったり。塗装の現場の印象は、ペンキで汚れるし、わからないことだらけだし、正直よくは思えなかったなあ(笑)。
それでも同級生と一緒だから、楽しい感じで働けました。その同級生は、現在協力会社の親方として弊社の仕事を手伝ってもらってます。
先輩たちが、仕事が終わった後にいろいろな技術を教えてくれました。養生、刷毛の使い方。塗装はお客さんの目に直接届く仕上げの仕事なので、新人がすぐにできるってものではないですよね。先輩たちは皆、簡単そうに手早く塗っていくけれども、実際にやってみると難しい。教わりながら驚いていました。でも一度もやめることなく続けてこれたのは、塗装が面白かったのと、仲間や先輩たちとの仕事が楽しかったからかな。
Chapter 2
持っている資格は、一級塗装技能士と有機溶剤取り扱い。それと職業訓練指導員です。細かく言うと防水の一級技能士とか他にいくつか持ってもいます。“職業訓練指導員”というのは、塗装の訓練校で講師として教えることができる資格で、実際には先生はやってはいないけれども、資格を持っているということです。うちの会社では、社長の吉田も持っています。一級技能士に合格したタイミングで「いい機会だから指導員も取ったらどうだ」と声をかけてもらいました。
指導員は直接的な塗装技術の資格ではないけれども、技術をどう教えかるか、どのように新人を指導していくかに特化した資格なので、若い人が入って来た時など、実際的に役に立ちます。
だから今、うちに新人が入った時は、全員私の現場に入ってもらって、自分が指導することになっています。お客様へ向けての仕事と新人育成という会社の仕事、どっちも責任重大です。会社での役職は“部長”です。肩書を持ったのは3年~4年前ですね。やっぱり気構えが変わりました。
家族は16歳と10歳の女の子と妻の4人暮らしです。日曜日は、よっぽど仕事が詰なっていなければ休日にしています。バスケットが趣味です。週に二回、仕事が終わった時間に体育館を借りている同級生の仲間達がいて、自分もそこに混ぜてもらっています。もう13,4年はやっています。社会人チームに入って試合に出ている仲間もいますよ。
バスケットの面白さはチームワークです。現場と同じなんですよね。目と目でパッと会話をして、一人のプレーを皆でカバーしていく。現場とバスケットのチームワークの作り方は同じです。バスケットで知り合って入ってきて、うちで職人になった仲間もいるんですよ。アルバイトをしているって聴いて、「どうせバイトするならうちに来てみなよ」と。あれ、自分の新人時代と同じですね。今もバスケットを一緒にやっていますよ。今年で23歳の若手職人です。
Chapter 3
うちにはベトナムからの実習生が6人ほどいます。皆すごく一生懸命で熱心に働いてくれている。実習生は日本で技術を習得して働ける期間が限られています。最初3年で、延長の希望があれば2年の最長5年。そうしたら母国へ帰らなければならない。塗装職人としては、3年~5年経ってようやく一人前になる時期に故郷へ帰らなくてはならないというのは、もったいない気もするのですが、とにかく彼らは生半可な気持ちで来ていないから「仕事を覚える」「上達してやる」という意気込みが半端じゃない。ぐんぐん腕を上げていく。
最初は言葉も喋れませんから、スマホの翻訳アプリを使ったり。職人ですから目と目で会話をします。勉強会を開いて必要な作業で必要な用語を覚えてもらったり、今は1期生と2期生が来てるんですが、会社もサポートをしてます。
ベトナムから仙台という全然知らない土地に来て、自分だったらどうだろう…と考えるんですが、不安が大きいと思うんですよね。日本人の若い子に対しても同じなのですが、不安を解消してあげることをまず考えます。
工事部の建屋の2階の居住スペースが彼らの住居場所なんですが、折につけてコミュニケーションを図るようにしています。一緒にお酒を飲むこともありますよ。お酒は楽しいですよね。同じチームの仲間同士、日本人もベトナム人も若い人も年上も。ベトナムの人達って陽気で面白いんです。笑顔のある現場で、丁寧できれいな仕事が一生懸命に行われていたら、それは皆にとって幸せなことだと思うんです。そういう塗装の現場を作っていくチームリーダでありたいと心が得けています。
掲載日:2020/02/06
自分一人じゃ仕事はできない。現場のチームワークを作るのも僕の大切な仕事です