Miyazawa Nobuhiko (age40)
宮澤信彦(40)株式会社建翔代表取締役。
千葉県我孫子市で生まれ育ち、地元を中心に事業を展開する、地域のリーダー的存在。新しい技術やセンスを磨き上げることへの情熱は格別で、海外への視察も多く、新技術や材料の発掘に余念がない。二級建築施工管理技士、建設塗装基幹技能者、一級建築塗装技能士、職業訓練指導員など保有資格多数。
INTERVIEW
宮澤信彦(40)株式会社建翔代表取締役。
千葉県我孫子市で生まれ育ち、地元を中心に事業を展開する、地域のリーダー的存在。新しい技術やセンスを磨き上げることへの情熱は格別で、海外への視察も多く、新技術や材料の発掘に余念がない。二級建築施工管理技士、建設塗装基幹技能者、一級建築塗装技能士、職業訓練指導員など保有資格多数。
Chapter 1
17歳で職人の道へ入ってから、ずっと塗装一筋でやってきました。きっかけは、結婚して子供ができたからです。当時まだ若い自分でしたが、「よし、働くぞ!」 という、父親としての情熱がこみ上げてきたのを覚えています。
そのセガレは、今22歳の大学4年生。きのうも現場にアルバイトで入っていましたよ。明日からも入る予定です。
本来の本人の希望では、今年卒業で、来年から1年間、ワーキングホリデーという仕組みを使って、オーストラリアで働きながら人生の視野を拡げるという選択をしたかったようです。
しかし、新型コロナで海外へ渡航の先行きが見えない中、卒業してすぐ職人の道へ入ることになりました。本人の選択です。頑張って欲しいと思います。
さらに下に21歳、15歳、13歳の子供がいます。大家族とまではいきませんが、妻もふくめて6人家族。皆仲が良く、にぎやかで楽しい生活をしています。
戸建の現場などでは、「この家で暮らす家族の皆さんが、楽しく幸せに暮らせるといいな」と、そこに暮らす人たちへの責任感が高まっていくのは、自分もまた家族を大切にしているからかもしれません。
Chapter 2
“建翔”を設立して、今年で5年目になります。あっという間ですね。大切にしているのは、お客さんの満足度です。
僕らの仕事は、一言でいえば“ペンキ屋さん”です。しかし、“ただのペンキ屋さん”で終わってしまったら、本当のところ、この仕事は成り立たないと考えています。
新しい技術や素材への興味は、自然と湧き上がってきます。研鑽をつづける気持ちも、仕事へのモチベーションも大切です。
そしてなにより―― “コミュニケーションの能力”が大きく問われるのが、今のペンキ屋さんだと思います。最高の仕上がりをお客さまにお渡ししても、「ああ、この人達に塗ってもらってよかった!」と、感動してもらえるかどうかの最後のワンプッシュは、コミュニケーションによる部分が大きい。むろん、保障は十分以上に付けます。
仕事。コミュニケーション。アフターサービス。保障。そうした一つ一つを大切にすることが信用となって、口コミとして広がり、自然と仕事を広げると感じています。
Chapter 3
設立以来5年、ずっと会社が成長できているのは、「一番になりたい!」という17歳の時に抱いた気持ちを、今も持ち続けていられるからだと感じています。
今は新型コロナで行けませんが、自分もしばしば海外へ行って、塗装の現場を視察しています。ヨーロッパの塗りの雰囲気は独特ですね。まず、日本にない塗料を使っていたりする。国はちがっても、お互い塗装のプロですからね。仕事を見れば、塗料も技量もすぐにわかます。
たとえばドイツなどは、良い仕事をする職人が多いなあと感じますね。大理石で浴槽を作っていると思ったら、それが塗装だったり。エイジング塗装は、古い町並み大切にする文化が影響しているのか、かなり進んでいます。
まだ日本へ入って来ていない塗料もたくさんあって、勉強になりますね。そうして帰国してから、あの塗料メーカーの日本での代理店はないかな――と調べます。先週も名古屋へ研修に行ったばかりです。
会話は通訳を通してです。でも、セガレ達の時代になったら、通訳なしで、塗装の職人たちが世界を駆け巡る――。
そんな光景が見られるんじゃないでしょうか。そのためにセガレは、大学では国際教養学部へ通い、カナダへも留学させていました。
センスと技術で、世界を股にかけて仕事場にできる。それが、塗装職人の未来のヴィジョンだと自分は考えています。
もちろん、アジアの各地へ行っています。うちにもベトナムからの研修生がいるんですね。国がちがうと現場のルールも違ってくる。それを生で見てくるのも大きい。
ヨーロッパと比べると、ベトナムなどのアジアの塗装は、残念ながら少し遅れている部分があります。社会の背景がちがうので、いちがいにどっちが上だとは言えないのですが、うちで研修して働いてくれた若い人たちは、高いレベルの技術や志を祖国へ持って帰ってくれると嬉しいなあと、強く思います。
行く先々の海外の国で、現場を視察してホームセンターを見てまわります。飽きることがありません。日本でも、新しい塗料を使った勉強会などを開いたりしています。
子供達世代へ、胸を張って夢を語れる仕事――それが塗装の仕事だと自分は思います。
掲載日:2020/10/6
大学を卒業する長男を筆頭に子供が4人。塗装の仕事への情熱がさらに高まります。