SUZUKI IKUYA (age35)
鈴木塗装工業所工事部部長 1982年10月19日、東京都世田谷区生まれ。自由が丘産能短期大学卒業後、鈴木塗装工業所に入社。趣味はゴルフなどスポーツ。子どもは小学4年の長男と小学2年の長女、3歳の次男。「いまのところ、会社を子どもに継いでほしいと思っていません」
INTERVIEW
鈴木塗装工業所工事部部長 1982年10月19日、東京都世田谷区生まれ。自由が丘産能短期大学卒業後、鈴木塗装工業所に入社。趣味はゴルフなどスポーツ。子どもは小学4年の長男と小学2年の長女、3歳の次男。「いまのところ、会社を子どもに継いでほしいと思っていません」
Chapter 1
家業ですから、中学校時代から、仕事を手伝っていたんです。ピザのデリバリーや飲食のバイトもしていたんですが、結局、跡を継ごうと入社したんです。鈴木塗装工業所の創業は明治34年(1901年)、20世紀が始まった年。創業117年と歴史だけはあるので、プレッシャーというか、責任が重い感じがして、ぶっちゃけ、跡を継ぎたくなかったんですけれどね。
23、24歳のときに先代の祖父が亡くなって、やっぱり、歴史を途絶えさせてはいけない。継がなければいけない、決心したんです。ただ、父も祖父もこの仕事を継いでくれとは一言も口にしたことはなくて、自由にすればいいと言っていたんですけれどね。でも、本音としては跡を継いでほしいという気持ちだったとわかっていました。
Chapter 2
Chapter 3
Chapter 4
塗ったばかりでしたら、誰が塗ったってきれいに見えます。塗装会社は10年後を見据えて仕事ができるかどうかが、勝負になる。予算との兼ね合いもありますが、たとえ儲けがでなくても、信念をもって、やっていくべきだと思うんです。
そのためには、現場の意見を聞きながら、職人が働きやすい環境づくりをすること。たとえば、塗料や塗装用具も現場で使いやすいものを、展示会に顔を出したりして、常に探すようにしていいます。職人が使いやすいものを使ってほしいので、多少値段が張っていても、効率があがったほうがいいですからね。うちの会社には塗料会社や塗装用具会社から、試用、モニタリングの話も結構、きますので、それも用具選びの参考にさせていただいています。
うちの場合、仕事の8割が世田谷区。地元の仕事が多いので、口コミが営業になっているんです。また、10年経っても塗装がちゃんとしている施工現場が近くにたくさんありますから、自分たちの仕事の誇りにもつながっています。そして、そういうこともお客さんの信頼につながっていると思うんです。
祖父や父もそうでしたが、私が社長を継いでからも下手に会社を大きくしたくありません。目の届くなかで、信念をもった仕事ができるのは、いまくらいの規模がちょうどいい。そして、200年、300年続く会社にすることができれば、素晴らしいと思っています。
掲載日:2018/06/29
創業117年という歴史の重みを信頼につなげていきたい